2009年07月14日

リクエスト・ストップ

数年前、北海道は宗谷本線の鈍行列車に乗った時につくづく思ったのだが、日本は何故、リクエスト・ストップを実施しないのだろう。

これはイギリスのローカル線の時刻表の一部である。ローカル線といっても、この時刻表掲載区間の場合は、そこまでの閑散線区ではなく、複線だし、列車も1時間に1〜2本は走っている。列車は気動車で、3両編成ぐらいだったと思う。かつてはそれなりの輸送量があったのだろうが、イギリスもロンドンなど大都市を除くと車社会で、鉄道の利用者は減っている。日本とそっくりの現象だなと思うことも良くある。

stratford.gif

この時刻表で、08x09のように、8時9分の時刻を表していながら、その間に x 印が入っている所が、いわゆるリクエスト・ストップで、乗降客が少ない小駅である。わざわざ停車しても、利用者ゼロということも珍しくない駅である。そこで、下車する客は、事前に乗務員に知らせ、乗車する客はホームから列車に向かって何らかの方法で知らせる。それらの知らせがなければ列車は通過するのである。

自動車にしても鉄道にしても、車両というものは、完全に停車している車両が動き出す時に動力を一番消費する。こうも地球温暖化防止が叫ばれる現代において、乗降客が皆無の駅に、大きな鉄道車両がわざわざ一つ一つ停車することは、無駄が多すぎると思う。かといって、滅多に乗降客がないからという理由で通過扱いにしては、たまに利用しようという人も利用できなくなり、結果として利用者減に拍車がかかる。であれば、鉄道もバス並みに、利用者がいる時だけ停車したらいいではないか。バスのように簡単に導入できないという声もあるかもしれないが、ちょっと知恵を絞ればやってできないことはないだろうし、現に欧州ではスペインなど他の国でもローカル線を中心に実施されている。

宗谷本線の名寄〜稚内間の場合、普通列車は1日5往復しかない。それでも実際に乗ってみると、多くの駅で、乗降客がゼロである。だから需要の実態に合わせ、普通列車でも一部の列車は一部の小さい駅を通過するダイヤになっている。しかし、もし停車してくれるのならば、毎日ではなくても、たまには利用したいという人も、いないわけではないだろう。

今はダイヤ改正で変わってしまったようだが、私が乗った数年前は、午後に幌延で稚内行と名寄方面行の普通列車が行き違うダイヤがあった。名寄行が先に到着しており、稚内行が着くと入れ違いに名寄行が発車する。その稚内行は、普通列車でも通過する駅がいくつもあるので、もし名寄方面からそれら通過する駅に行こうと思った場合は、幌延で急いで橋を渡って反対ホームへ行き、戻る列車に乗ることで、可能は可能である。しかし、実際そんな客がいるとは思えない、と、私も思っていた。だが、乗り合わせた高校生の会話を聞いていたら「こちらの列車が遅れた時は間に合わないことがある」とか何とか、実際そういう利用の仕方をするケースについて話しているのであった。

宗谷本線あたりの普通列車であれば、朝夕通勤通学の時間帯で、ほぼ確実に毎日利用者がいる駅を除いて、単線の駅は全て、リクエスト・ストップで事足りるように思う。旭川〜名寄の快速は現状維持として、それ以外の普通列車は全てそうすることで、無駄な停車が減り、なおかつ利便性も増す。所要時間については、平均的な乗降客の有無から割り出して多少余裕を持たせれば、単線区間だから、交換駅での時間調整もできるわけだし、そこまでダイヤを乱すこともないであろう。日本人は律儀すぎて、時刻表を細かく定めすぎて、各駅を秒単位までピッタリの時刻で発車させようとする。その心意気は結構なのだが、そういった性癖ゆえに、リクエスト・ストップが馴染まないのだろうか、と思うと、それもまたどうかと思うのである。
posted by 東西高低 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ローカル線 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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