2009年12月22日

北陸新幹線と上越駅

北陸新幹線・長野〜金沢間の工事が進んでいる。日本中どんどん、新幹線網が広がっている。便利になるが、旅の楽しみが減っていく。どちらも時代の流れである。

こういう大プロジェクトでは、沿線各地域にも甚大な影響を及ぼす。だから各自治体も色々な要求を出してくる。その一つに、新潟県の、(仮称)上越駅に全列車停車という要求があるそうだ。この話を聞いて、よくそこまで言うものだと驚いた人も多いだろう。

現在、上越新幹線には1往復だけ、東京〜新潟ノンストップというのがある。県下第二の都市、長岡を通過するのはこの1往復だけである。新潟県知事がこの列車に対して文句を言わないのは、同じ県内の新潟が終着であり、県庁所在地新潟市にメリットがある列車だからであろう。長岡と新潟が別の県であったならば、そして今の知事が「長岡県知事」であったならば、彼はこれに猛然と抗議したに違いない。

上越市は、長岡に比べても人口規模が小さく、さほどの乗降客は見込めないであろう。しかし、上越市の前後も人口は稀薄であるから、北陸新幹線の水準では主要駅になることもわかる。それに、長野〜富山がノンストップというのは、ちょっと長いかもしれない。しかし、新横浜〜名古屋や、「はやて」の大宮〜仙台に比べればはるかに短い。そう考えると、全列車を停めるのは過分である。素人でもわかりそうなことで、JR東日本の社長も、当然のごとく拒否している。

どうしても埒が明かないのであれば、開業暫定ダイヤでとりあえず全列車停車にして、その代わり「最低乗降客数保証」を求めてはどうだろうか。上越駅の乗降客数目標を、全列車停車にふさわしい水準に設定し、それが達成できなければ、次のダイヤ改正で、通過列車を設けたらいい。
posted by 東西高低 at 03:08| Comment(0) | TrackBack(2) | 高速鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月19日

中央新幹線のルートと長野県

もう今さらという感じではあるが、ネット検索で色々な意見を読む限り、長野県知事への支持は殆どないと言ってよい。リニア新幹線・東京〜名古屋のルートに関してである。

以下は6月18日の記者発表でJR東海より出された建設費などのデータである。


  木曽谷ルート 伊那谷ルート 南アルプスルート
路線の長さ 334km 346km 286km
所要時分
※最速達タイプ
超電導リニア 46分 47分 40分
在来型新幹線 87分 90分 79分
工事費
(建設費+車両費)
※中間駅除く
超電導リニア 56,300億円 57,400億円 51,000億円
在来型新幹線 44,500億円 45,000億円 41,800億円
出典:中央新幹線調査の今後のスケジュールと工事費等について (PDFファイル)


もともとこのリニア新幹線は、飽和状態にある東海道新幹線の補完かつ発展となる交通機関である。従って、東京〜名古屋〜大阪を直結するのが主目的であるのは言うまでもない。だからできるだけ直線ルートにするのが理にかなっている。途中駅は、言ってみれば、通過されるだけでは納得しない地元への見返りである。通過されるだけの地元にすれば釈然としないだろうが、ここは日本全体のことを考えなければならない。

一県一駅は、まさに地元説得の道具であろう。正直、このルートであれば、神奈川県と岐阜県には駅がなくても、と思うが、通過する各県に、建設に協力してもらうために、JR東海は早々と一県一駅を発表したのであろう。なかなか賢い。

(余談だが、私は最初、神奈川県と聞いて、相模湖と藤野の2駅しかない中央本線を思い浮かべたので、そんな所にも駅を作るのか、と思ってしまった。だが、リニアのルートはもっと南で、橋本駅あたりが有力候補地らしい。それなら、東海道新幹線の新横浜に準じた利用客を集められるので、むしろあった方がプラスだろう。やはり"首都圏恐るべし"である。橋本なら岐阜東濃の新駅の何倍もの乗降客数になるだろう。)

さて、問題の長野県である。インターネットで様々な検索をする限り、この件に関しての村井仁知事の評判はめちゃくちゃ悪く、支持者は本当に僅かのようだ。長野県民でさえ、長野の恥などと言う始末で、気の毒なぐらいである。確かに一人で駄々をこねて建設を遅らせる結果を招くのはよろしくないが、しかし、長野県知事の立場としては、わが県のために簡単に認めるわけにはいかない、というのもわかる。恐らく村井知事も、内心では駄目だと半ば諦めているのだと思う。しかしそれをあっさりと表に出すわけにはいかないので、嫌われること、馬鹿にされることを承知で頑張っていらっしゃるのではないか。そして、時間をかけて妥協に持っていく見返りに「それなら南アルプスルートを認める代わりに」と、例えば中央本線高速化とか、何かを求めるという戦略ではないか、と思うに至ったのだが、どうだろうか。

ただ、村井知事や長野県を批判する様々な意見の中には、的外れなものも多いと思う。私も、諏訪地区へ迂回してそこへ駅を作れ、という意見には絶対反対である。しかし、だからといって、これはどうであろう?


<その1>諏訪地区に駅など作っても利用者は殆どいない。
→ さすがにそんな事はないだろう。今も中央線の特急が1時間に1本の割で運転されており、茅野と上諏訪の2駅には全列車が停車している。時間短縮によって諏訪地区への企業立地や旅行者が増えるなどの需要喚起もあるだろうから、そこそこの利用者は見込めると思う。少なくとも諏訪地区は、将来の開発を見越して先に駅を作った開通初期の岐阜羽島や安中榛名などとは状況が違う。

<その2>長野県にはもう新幹線があるではないか。
→ この意見を言う人は、長野県の地理的状況(広さ・細長さ)を知らないのかと思う。そもそも新幹線というものは、一つの県に一つずつあれば良いというものではない。現在の長野新幹線が通っている地域と諏訪・松本等の中信は違う。確かに長野新幹線の開通によって、松本あたりだと、東京へ出るのに長野経由という選択肢ができたことはできたが、だから中信には高速鉄道は永遠に不要だということにはならない。

まあ、しかし個人的には東京〜名古屋を40分にまで縮める必要があるのかとは思う。だが、やる以上は1分でも短縮すべきであろうし、そこに諏訪などを迂回するために6〜7分も余計にかかるようなものを作っては、やはり将来に禍根を残すことは間違いないだろう。

中信といえば、中央本線が大八回りなどと呼ばれる辰野経由で作られて、長いこと、特急も急行も、諏訪と塩尻の間をぐるりと大回りしていた。その当時の辰野は、急行は全て停車したが、特急は通過も多かったように記憶している。それも塩嶺トンネル経由の短絡線(みどり湖経由)が出来て昔語りになったが、辰野には伊藤大八の銅像もあるという。今度、もしも万が一、リニアのルートが諏訪経由ルートに決まれば、諏訪地区新駅の駅前に村井知事の銅像ができるのであろう。そして、この不自然にカーヴした路線のことを、ジン回りなどと呼ばれることに・・・と、まあこの辺でやめにしておきましょう。
posted by 東西高低 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(2) | 高速鉄道 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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